空の一点に意識を向ける。
クリアになって、より集中しやすくなる。
ふ〜っと力を抜いて・・・
何も考えていませんでした。
5投目を終えて、フィールドに寝そべっていたとき、静かに自分に集中していました。
人が見ていないところを見ていたんです。空を。
観客は試合を見ています。空なんか見てないじゃないですか。
人が、全然注目していないところには、やはり、こうエネルギーが集まっているんです。
人が注目していないものというのには、エネルギーがあります。
集中するときに僕は、たった1つのものとか、そういうものを大事にしています。
みんなが見ていない空を見ていると、僕は1人になれる。集中できるんです。
周りが明るいから、星も見えない。
でも、ずっと見ていたら、1個、星が見えたんです。
誰も、見ていない星、それを見ていました。
自分から星を探したんじゃなくて、ぼうっとしていたら、星のほうから、飛び込んできたんです。
自分から見るんじゃなくて、必要なものは向こうから飛び込んできます。
待つというのが大事なんです。
暗い中の光でした。
それで「いける!」と確信して投げたんです。
室伏広治選手/アテネ五輪(ハンマー投げ)金メダリスト
陸上競技マガジン10月号より
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