2014年2月2日日曜日

空の一点




空の一点に意識を向ける。


クリアになって、より集中しやすくなる。


ふ〜っと力を抜いて・・・





何も考えていませんでした。


5投目を終えて、フィールドに寝そべっていたとき、静かに自分に集中していました。


人が見ていないところを見ていたんです。空を。


観客は試合を見ています。空なんか見てないじゃないですか。


人が、全然注目していないところには、やはり、こうエネルギーが集まっているんです。


人が注目していないものというのには、エネルギーがあります。


集中するときに僕は、たった1つのものとか、そういうものを大事にしています。


みんなが見ていない空を見ていると、僕は1人になれる。集中できるんです。


周りが明るいから、星も見えない。


でも、ずっと見ていたら、1個、星が見えたんです。


誰も、見ていない星、それを見ていました。


自分から星を探したんじゃなくて、ぼうっとしていたら、星のほうから、飛び込んできたんです。


自分から見るんじゃなくて、必要なものは向こうから飛び込んできます。


待つというのが大事なんです。


暗い中の光でした。


それで「いける!」と確信して投げたんです。



室伏広治選手/アテネ五輪(ハンマー投げ)金メダリスト

陸上競技マガジン10月号より





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